亀岡の七谷川へ桜を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

2017年4月14日(金)


亀岡の七谷川へ桜を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

桜の名所は、かつて荒れ狂った川の堤防であることが多かったりします。
堤防の強度の維持にとって、桜の植樹が良いことなのかどうかは、私にはよくわかりませんが、
とにかく日本全国で見られる光景であり、京都では府下の桜の名所でよく見られるものです。
当サイトでも訪れた井手の玉川とか、我がホームたる八幡の背割堤とかは、正にその典型でしょう。
井手も八幡も共に、ひとたび洪水が起これば一帯が死の湖と化す、京都ディープサウスの街。
「死」 を孕む花である桜は、あるいは 「死」 に近い場所でこそ、狂い咲くものなのかも知れません。
いや無論、荒れ川の前科を持つ桜の名所は、サウスのみならず京都市&北部の府域にも多し。
「かつて保津峡を栓とする湖だった」 という神話を持つ口丹・亀岡にも、桜が咲き狂う川があります。
大堰川 aka 保津川 aka 桂川のことでは、ありません。その東を流れる、七谷川という川です。

七谷川ノ源ハ地蔵山ヲ発シ流程十三粁桂川ニ注グ流域荒廃洪水ノ際流出スル土砂ニヨリ被害甚大
ナルタメ治水ノ根本策トシテ砂防大堰堤建設ノ議起リ時ノ村長島津庫太氏関係者ヲ代表シ当局ニ
陳情昭和十六年国庫補助府直営工事トシテ起工一部施行セラレタルモ偶戦争苛烈トナリ工事中止
トナル戦後時局安定セルニヨリ村長広瀬富之助氏ガ復活ヲ強ク要望二十三年ヨリ継続施工セラレ
二十六年三月完成ヲ見ルニ至ル
( 「七谷川統水堰堤碑文」 『ふるさと千歳』 より)

愛宕山系の水を宿す七谷川は、亀岡盆地東山麓から千歳町を西へ流れ、大堰川へ入る川。
本流・臼木谷・桃原谷・馬路山谷・野々熊谷・畑谷・上谷が合流することから、その名が付いたとか。
名前だけ聞くと、虹でも架かりそうな優美な印象の川ですが、実際は古代より氾濫を起こしまくり。
上で引いた 「七谷川統水堰堤碑文」 が記すように、近現代に入ってようやく、治水が為されました。
昭和3年には、御大典記念として100本の桜を植樹。昭和48年にも、追加で100本をまた植樹。
昭和57年に入ると、沿岸に七谷川野外活動センターが創設されるのと共に、またまた500本を植樹。
これらの樹々が順調に育ちまくったことで、現在の七谷川は春が来る度、桜の一大名所化。
前科を反省してるのか、あるいは 「死」 に感応してるのか、物凄い狂い咲きぶりを見せてます。
そんな七谷川の桜、玉川や背割堤と同様に、浴びるが如く観て来ました。


13時前にJR亀岡へ着き、すぐ接続の七谷行き 「F11」 バスに乗るべく、駅南のロータリーへ。
しかし、 「F11」 乗り場がありません。案内図をよく見ると、 「F11」 乗り場は反対側の駅北側でした。
気付いた時には、バスは発車済み。次は1時間15分後なので、その間に駅前の 『はっとり』 で、昼食。
頼んだのは、鯖寿司中心の寿司定食850円です。鯖寿司、しっかりとした身に塩が効いてて、美味。


そのうち時間が来たので、今度は間違わずに、「F11」 バスが既に待つ駅北側のロータリーへ。
「亀岡市コミュニティバス」 の路線ですが、車体は普通の京阪バス。PITAPAも、普通に使えました。
14時15分頃に出発したバスは、大堰川の東を北上。車窓に広がるのは、実に長閑で穏やかな光景。
車内は、半分方埋まってて、乗降が少ない感じ。とはいえ、七谷目当てに見える客の姿も、少なめ。


で、約10分後、大量の花弁が舞ってる七谷バス停に、到着。降りたのは、4~5人でした。
花弁を見て 「散ったか」 と焦りましたが、もってるようです。では、浴びるが如く観て行きましょう。


で、亀岡市の市章オブジェを前景として、いきなり咲きまくる桜を、浴びるが如く眺める。


水がない七谷川を借景として、川を覆うように咲きまくる桜を、浴びるが如く眺める。


桜の幹を前景として、道の上へ覆い被さるように咲きまくる桜を、浴びるが如く眺める。


咲きまくる桜に、ズームで寄りまくって、花弁までじっくり観てみるの図。


咲きまくる桜を、七谷川の対岸からちょっと離れて観てみるの図。


ズームでちょっと寄って、桜の中へ埋もれるような感じで観てみるの図。


もう少し寄って、より桜の中へ埋もれるような感じで観てみるの図。


溢れかえる桜を借景として、その借景を揉み消す勢いを誇りながら、溢れかえる桜。


亀岡盆地を形成する山を借景として、ぽつんと立ってても良い味を出してる、対岸の桜。


散策路の路面を借景として、散って積もってもやはり良い味を出してる、路上の桜。


散策路の西側終点ゾーン&看板を借景として、これもまた良い味を出してる、枝垂れ桜。


やや遅咲きらしき桜の、陽の光を求めてるような花弁も、愛でること、しばし。


陽の光を浴び過ぎて、川の水を求めてるような桜も、愛でること、しばし。


頭上にも足元にも桜が溢れ返ってるような散策路自体も、愛でること、しばし。


と、こんな感じで、延々と咲きまくり状態。量的ボリュームが凄くて、正直もう疲れる程です。
七谷川の桜は、東西に流れる川と共に展開しており、バスが走った府道25号と十字交差してます。
で、ここまで観て眺めて愛でてきたのは、府道より西側。 「和らぎの道」 という名が付いてるんだとか。
西側の桜、咲きまくりではありますが、順光で観ると散りも結構目立つかなと。東側は、どうでしょう。


府道近くの体育館にてトイレを借りてから、警備付きで府道を横断。ここから、後半戦です。
「照明については午後10時に消えます」 看板を見ながら、東へ。七谷川、ライトアップもやってます。
渡ったすぐ先の辺には、猪肉処・七福、あり。開いてれば寄るんですが、桜シーズンは休むんだとか。
桜は、東寄り or 高度の為か、散りは若干少なめかなと。ではまた、浴びるが如く観て行きましょう。


で、明らかに西側より調子が良いと感じられる桜を、愛でること、しばし。


調子の良さ加減をより味わうべく、近くにあらば寄ってみて、愛でること、しばし。


さくらウィークなんてのがあったのかとか思いながら、愛でること、しばし。


で、味あり過ぎな木橋を借景として、その木橋を飲み込むような勢いで、狂い咲く桜。


狂い咲く桜を借景として、もう完全に桜に飲み込まれてしまっている木橋と、狂い咲く桜。


川の堰を借景として、その堰さえ飲み込まんばかりの勢いを誇りながら、狂い咲く桜。


川と木橋を借景として、それら全てを飲み込まんばかりの勢いを誇りながら、狂い咲く桜。


そんな桜にエールを送っている少年の銅像を、背後から観てみるの図。


少年がエールを送る桜を、河原へ降りる階段から観てみるの図。


そのまま上流側へ進んで、散策ゾーンの終点らしき所を観てみるの図。


下流側へ引き返し、少年像の近くにあった少女像も観てみるの図。


何とかセンターの施設を借景として、まだまだ咲きまくる桜を、浴びるが如く眺める。


爆裂気味に咲きまくる桜を借景として、爆裂気味に咲きまくる桜を、浴びるが如く眺める。


川へ零れた花弁を借景として、零れ落ちそうに咲きまくる桜も、浴びるが如く眺める。


と、桜を浴び続けるうち、時間は17時。完全に疲れました。あと正直、桜にも飽きました。
腹も減ったので、帰ります。今後来る時には、 『はっとり』 の鯖寿司を弁当に持って来ましょう。


で、帰るんですが、その前に、七谷川が生んだであろう扇状地も拝むべく、再び府道の西側へ。
この川の周囲は、扇状地ゆえ水捌けが良過ぎ、稲作が大変だったと 『ふるさと千歳』 にありました。
そういえば、川の西側、水ないしな。同書によると、この辺の田の通称は 「ざる田」 ならぬ 「かご田」 。
大変だった場所で咲く桜は、何か、凄みが違うのかも知れません。そして、この風景もまた、美景。

この日の七谷川、客は地元メインの親子 or 身内集団が大半です。
よく見かけるのは、若い母子およびそのグループで、中高年は意外と少なめ。
若者も、地元・観光を問わず、少なめ。カップルも少なく、いてもほぼ地元系の夫婦。
女性グループは、東南アジアの自分大好きな奴等がいましたが、絶対数は少なめ。
観光ハイや桜ハイは至って希薄であり、どの属性の客も概ね、穏やかに桜を愛でてます。
中国人もいることはいましたが少なく、そもそもバスの時点でも観光客が少ないです。
全数も、割と少なめ。桜のコンディションの為か、日付・曜日のせいなのかは、わかりません。
単独は、渋めの好き者系が微量いる他は、ほぼ近所の普通の人でした。

そんな亀岡・七谷川の、桜。
好きな人と観れば、より七谷なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、七谷です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:微
女性グループ:微
男性グループ:0
混成グループ:0
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:6
単身女性:微
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★★★
桜そのものが、そもそも実に良い。
であると同時に、場所の雰囲気も穏やかで、実に良い。
ネイティブ感はあるがアウェー感は希薄で、良い所だと思う。
ただ、このクオリティゆえ、今後どうなるかは、知らん。
また、悪い客層とぶつかった際にどうなるかも、知らん。

【条件】
平日金曜+桜ピーク過ぎ 14:30~17:00


 
 
 
 
 
 
七谷川
京都府亀岡市千歳町
拝観自由

亀岡市コミュニティバス 七谷下車すぐ
 

七谷川野外活動センター – 多分公式