城南宮へ梅を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

2019年3月8日(金)


城南宮へ梅を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

城南宮は狭い、と感じることがあります。概ね、何かの催しで行った際のことです。
実際の城南宮は、特に狭い神社ではありません。広大でもないですが、狭小でもありません。
名神南インターの眼前にあるその境内は外から見ても、巨大でこそないものの、それなりに広大。
また、現代の名物となってる自動車祈祷ゾーンは、当然のように車に対応できる敷地もしっかり確保。
少なくとも、普通の日に本殿周辺へお参りに行って 「狭いな」 と感じる人は、あまりいないでしょう。
近代には神領を上知され、現代には経済難で土地を売り、境内カツカツの社が多い京都にあっては、
城南宮は決して狭くはなく、どちらかといえば広めな境内を持つ神社、ということになるはずです。
が、狭く感じるんですよね。厳密にいえば、境内の中でも神苑が、何とも狭く感じるんですよね。
端的にこの気分を感じるのは、曲水の宴の時。狭過ぎの参観場所に死の混雑が生じる、あの感じ。
イレギュラーといえばイレギュラーなあの混み方こそが、何故か城南宮の本質に思えるんですよね。
この気分、曲水の宴の他にも感じる催しが、城南宮にはあります。しだれ梅と椿まつりです。
城南宮の神苑・楽水苑では、 『源氏物語』 に描かれた草木が植栽されており、花も季節ごとに開花。
梅もばっちり栽培され、洛南ゆえ少し早く咲く150本のしだれ梅が、春の訪れを京都へ告げてます。
で、このしだれ梅の観梅祭が、混むんですよね。それも何か、何とも昭和的に混むんですよね。
平安京すなわち宮城の南 = 城南にあって、 「方除の大社」 として幅広い崇敬を集める、城南宮。
もちろん平安時代より存在する古社ですが、現代の境内の佇まいが成立したのは、あくまでも現代。
車祈祷で儲かったからか何なのか、とにかく昭和以降、中根金作の作庭で神苑も整備されました。
で、この神苑が、昭和的というか。敷地が広い割に歩行スペースはやたら狭い辺が、昭和的というか。
「広いけどトイレは狭くて不便」 的な、ある種の昭和っぽい身体性が感じられる場所になってます。
この昭和感は、しだれ梅と椿まつりでも実に発揮され、客数の割に濃厚な混雑を現場へ召喚。
で、昭和の動態保存ともいえそうなそんな混雑の中で今回、梅を観てきたのです。


眼前に名神+南インターができて、 「京都の南の出入り口」 としての顔を再確立した、城南宮。
おかげで自動車祈祷も大繁盛し、参道である城南宮道も御覧のように壮大な高架道路となりました。
という大嘘を考えながら、東側から城南宮へ。新堀川通のこの辺では、観梅客らしき者の姿、少なめ。
でもこの先からは、社へ近づくごとに増え始め、歩くごとに混雑化。梅、やはり人気あるみたいです。


で、タクシーがやたら前に停まってる東鳥居を抜けて、城南宮へ到着。梅、看板出てますね。
神苑の受付は、あの鳥居を潜った先。行列は、なし。混雑、大したことないのかな。


13時半過ぎの受付、やはり行列はないようです。安心して600円払い、神苑の中へ。


で、一応しだれ梅と椿まつりということなので、とりあえず、椿。


暖かいので、椿の気分ではないけどとか思いながら、椿。


で、その先のかなり混んでる、梅ゾーン。


人間を借景として、梅。


人間を借景として、梅。


梅を借景として、人間。


人間を微かな借景として、梅。


梅。


梅。


梅。


梅。


梅。


梅。


人間を微かな借景として、梅。


人間を借景として、梅。


梅を借景として、人間。


梅を借景として、人間。


で、その先に出現してた、梅+椿ゾーン。


暖かいけど、これは確かに今時分ならではの景色な、椿。


で、やはり一応しだれ梅と椿まつりなので、〆に観るのは、椿。


で、椿の後は、やたらと広いけど妙に狭く感じるという、不思議な身体性を持つ庭へ。


で、庭をするっとスルーしたら、退苑です。出口近くには、混雑あり。椿餅の店みたいですね。
椿餅、私は前に食ってます。が、一応しだれ梅と椿まつりなので、買っとこうかな。


で、結局買った、椿餅。前は鳥羽離宮公園で食いましたが、今回は家でゆっくり頂きます。
中に入ってる餡などは割と普通ですが、表の皮は粟のような食感でやたらと柔らかく、かなり美味し。
というか、本当に柔らかく手にすぐ付着するため、絶対に椿の葉で挟む形で持たなくてはなりません。
この不思議な身体性もまた、神苑の身体性と同様、城南宮の本質を表現してたりするんでしょうか。

城南宮の梅、客層は基本、烏合の衆という感じ。
大型バスで来る老人団体もいれば、着物を着た 『そうだ』 なおばさん連中もいるし、
もちろん阿呆のカップルもそれなりにいるし、単独もそこそこ程度にはいるという。
ただ全体としては、近隣系の中年および老人が多勢を占めてたと思います。
中年の層別は、これまた多様でしたが、 『そうだ』 丸出しみたいな口は案外少なめ。
カップルは30歳前後が大半で、ガラガラを引きずるような中国人は珠にいる程度。
単独は、女は梅を観に来た or 撮りに来た連中で、男はほぼ全員がカメ。

そんな城南宮の、梅。
好きな人と観たら、より中根金作なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、中根金作です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:1
男性グループ:微
混成グループ:微
子供:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:3
中高年団体 or グループ:3
単身女性:若干
単身男性:微

【ひとりに向いてる度】
★★★
梅は、なかなかに魅せる。が、体感的にはやたら狭い。
アクセスの面倒さも考えれば、良い穴場とは言い切れない。
鳥羽離宮跡も込みで楽しむなら、値打ちは上がるかも。

【条件】
金曜+梅盛り過ぎ 13:40~15:10


 
 
 
 
城南宮
京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
神苑 9:00~16:30

市営地下鉄 竹田駅下車 徒歩約15分
京都市バス
城南宮下車 or 城南宮東口下車 徒歩3分
 

城南宮 – 公式

しだれ梅と椿まつり – 城南宮

城南宮 – Wikipedia