稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。 【1】 発輿

2019年4月28日(日)


稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。

稲荷祭。ゴールデンウィークを挟む頃合で行われる、名前の通り、稲荷の祭です。
そして無論、京都で稲荷といえば伏見稲荷ですから、つまりは伏見稲荷大社の祭であります。
この稲荷祭、当サイトは実は、クライマックスともいえる氏子祭を8年にわたって追い続けてきました。
京都を考えるにあたり、この祭が極めて重要な祭であると思ったから追った、わけではありません。
多くの祭に於いて核となる御旅所システムを考える上では、確かにこの祭は重要となるはずですが、
しかしそんな難しいことは、純然たるチンピラサイトである当サイトには、あまり関係ありません。
追った理由は、雰囲気が何か好きなのと、数年追えば祭の全貌がコンプできる気がしたからです。
伏見稲荷の氏子域は、よく知られるように、本社から割と離れた京都駅周辺に広がってます。
そして伏見稲荷大社・稲荷祭の氏子祭では、この京都駅周辺の氏子域を、5基の神輿が巡幸します。
稲荷神が、神幸した東寺駅近くの御旅所を出発し、各々の地域を回って御旅所へ戻るわけです。
で、この巡幸エリアの距離感が、何年かかけて追うのに丁度良い感じに思えたんですよね。
巡幸の東北端は、きっと河原町通の五条を下った辺。東南端は、竹田街道を十条まで下った辺
西北端は、丹波口駅を超えて中堂寺の辺。そして西南端は、旧千本通をこれまた十条まで下った辺
曖昧な表現で恐縮ですが、多分こんな感じです。こんな範囲を、5基の神輿が回るわけです。
範囲が広過ぎて、絶対に追いきれない祭というのも、京都には存在します。松尾祭が典型でしょう。
早朝からとんでもない範囲を巡幸しまくり、とんでもない回数の差し上げをやりまくる、みたいな。
しかし稲荷祭は、そんな感じではありません。1年では無理でも、何年かだとコンプできそうなのです。
おまけに、氏子域の中心に京都駅があるから、それなりに、街。同時に、雰囲気も割と、アーシー。
そんな便利さ&都合の良さと、雰囲気の良さに釣られる感じで、何年も何年も観続けてしまいました。
で、追尾の記録を、式次第は概ね順守+時空はシャッフルで組んだのが、当記事であります。
伏見稲荷の本社は最後まで出て来ませんが、しかしこれが、伏見稲荷の祭です。


というわけで、伏見稲荷の>御旅所稲荷祭の氏子祭は、ここを拠点とする形で開催されます。
場所は、油小路通と、東寺へ直結する東寺道との交差点角。最寄駅は、徒歩約5分の近鉄・東寺駅。
氏子域は、ここを中心とする半径1キロの同心円、という感じ。本社との距離は、2キロ程度でしょうか。
巡幸が開始されるのは、概ね13時頃。こちらは13時少し前の光景であり、ぼちぼち始まる頃合です。


東西を電車車道で挟まれた御旅所、街の公園感が半端ないですが、祭の今日は神社全開。
祭関係の車や太鼓トラックを見ると、神輿もまた今にもトラックで搬送されてきそうな気がしてきます。
実際の神輿は、既に搬入済。氏子祭の1週間前に神幸して、氏子祭の後の5月3日に還幸という流れ。
で、その移動が全部、トラック。還幸では、東寺前に乗り付けたりして、それはそれで面白いですよ。


御旅所は、敷地の西側に参道があり、その先の右奥に神輿の蔵・奉安殿が南向で建ってます。
参道は、露店も多し。蔵の少し前には舞台もあり、氏子祭とは別の日ですが六斎念仏の奉納もあり。
面積はかなり広め。というか、より正確に言うなら、木が生えてるだけの緑化スペースが異様に広い。
マンションにも駐車場にもせず、街のど真ん中に 「杜」 を維持できる財力。流石は、伏見稲荷です。


で、そんな稲荷力が生み出す 「杜」 から、蔵の神輿を拝む。ここ、涼しくて気持良いんですよね。
蔵内では、左から田中社・上之社・下之社・中之社・四之大神の5基が、巡幸に向けてスタンバイ中。
それぞれ別名は、不動堂・東九条・塩小路 or 中堂寺・西九条・八条。塩小路 or 中堂寺は隔年交代。
参道や蔵前は、かなりの賑わいです。皆さん、巡行キーとなる鳴りカンが到着するのを待ってます。


で、舁き手に掲げられ、そして鳴らされながらやって来た、鳴りカン。


御旅所前でも掲げられ、シャカシャカシャカシャカと鳴り響く、鳴りカン。


神輿へ向かって参道を通る際も、シャカシャカと鳴り響く、鳴りカン。


蔵へ到着しても、しばらく神輿の前でシャカシャカと鳴り響く、鳴りカン。


で、鳴りカンを着けたら、神輿、いよいよ出庫です。まずは、田中社。


発輿時には、差し上げもあり。で、差し上げられる、田中社。


朱色のボディを輝かせ、東寺道に向け門を抜ける、田中社。


神輿の出発順は、決まってます。田中社の次に出るのは、上之社。


こちらは、中之社と共に真紅のボディが鮮やかな、上之社。


けど正直、名前を見ないと中之社と間違えがちな、上之社。


続いては、下之社。こちらは、中堂寺地区が舁いてる年の下之社。


色は真赤だけど、5基の中では唯一六角形である、下之社。


先述通り、下之社は2年交代。こちらは、塩小路が舁いてる下之社。


隔年で交代されるシャーシ = 轅を、高々と掲げる、下之社。


天辺に付いた鳳凰を輝かせながら、鳥居を抜ける、下之社。


下之社の次は、上之社と同様に真紅のボディが鮮やかな、中之社。


けど正直、名前を見ないと上之社と間違えがちな、中之社。


激しい差し上げを決めた後、 「杜」 な参道を進む、中之社。


そして最後に御旅所を出発するのは、唯一紫色である、四之大神。


形は他の社と同様ながら、色で印象を変えてる、四之大神。


威勢良く鳥居を抜け、東寺道へと繰り出して行く、四之大神。


で、先刻までの賑わいが嘘のようにすっからかんとなった、奉安殿。


こっちは割と賑わう、露店。巡幸の日は概ね暑いので、かき氷が美味。


で、観てるだけの私が、かき氷で涼を取ったりしてる内にも、神輿はどんどん進んで行きます。
それぞれの神輿が巡幸するのは、別名が示してる町名のエリアが基本。そこへ向かうわけですね。
田中社は、不動堂がある辺り。上之社は、東九条周辺。中之社は、西九条一帯。四之大神は、八条
そして御覧の下之社は、中堂寺地区 or 塩小路地区。これからが巡幸の本番です。以下 【2】 へ。

稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。 【2】 へ続く

稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。 【1】
稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。 【2】
稲荷祭の氏子祭を、8年にわたって観続けました。もちろん、ひとりで。 【3】


 
 
 
稲荷祭・氏子祭
概ね毎年4月最終日曜 開催
 

伏見稲荷大社御旅所
京都市南区西九条池ノ内町98

近鉄電車 東寺駅下車 徒歩約5分
JR・近鉄・地下鉄 京都駅下車 徒歩約10分
京都市バス 東寺道下車すぐ
 

伏見稲荷 – 公式
伏見稲荷大社御旅所 – 京都風光