2012年の祇園祭・山鉾巡行へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【前篇】

2012年7月17日(火)


2012年の祇園祭・山鉾巡行へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

山鉾巡行、2012年度の追尾録でございます。
千年前から超過密都市であるため、疫病が死に直結する時代が長く続いた、京都。
梅雨明け+盛夏初頭あたりは特に怖い季節であり、氾濫する疫病の元・疫神を何とか祓うべく、
華麗な山車で街中を巡行し、厄神を吸引してまわることこそが、そもそもの山鉾巡行の本義でした。
その巡行が、疫神を祓うどころか疫人たる観光客を大量に呼び込むショーと化した時期こそ、
疫病の恐怖が消え、産業と観光重視の思想が前面化した、昭和の高度経済成長期。
17日 「さきのまつり」 +24日 「あとのまつり」 の二週またぎ開催だった巡行が17日に一本化、
ルートも大幅に変更され、現在生きてる大半の人にとっての 「山鉾巡行」 の形が出来たわけです。
しかし、昭和終了からもそれなりの時間が経ち、経済成長の夢もまた跡形もなく消え去った今、
山鉾町や行政など祭に関わる人たちの関心は、旧儀の復活の方により向いてます。
「さきのまつり」+「あとのまつり」 の二週またぎ開催早期復活が、現実的に協議されるようになり、
2012年の今回は、実に140年も休み山だった大船鉾が、巡行に復帰することになりました。
全てが 「例年通り」 のようでいて、実は激しく形を変え続けている、山鉾巡行。
ひょっとすると現行の昭和フォーマットでの巡行は、逆にあと数年で見納めとなるかも知れません。
正午を過ぎてからの疲労よ、さらば。無残なまでにカラッポになる有料席よ、さらば。
そんな哀惜の念を抱きながら眺めたというのは大嘘ですが、とにかく2012年も追尾です。
朝7時の飾りつけから14時過ぎの解体まで、延々と追っかけてみました。
あまりに暑過ぎて記憶が曖昧なため、ほとんど写真の羅列のみで恐縮ですが、
現場の興奮と猛暑と疲労を感じていただければ、幸いです。


朝7時の御旅所前。人、全然いないように見えますな。
でも実際は、観光風か外来のカメ風の人が、目ぼしいポイントに貼りついてます。


飾り付け中の長刀鉾
もちろん、長刀鉾のみならず各鉾とも、既に飾り付け中です。


まだかなり裸な、八幡山


しっかり出来上がり、鉾の如き威容を見せる、北観音山


やはり鉾の如き威容を見せる、南観音山


山鉾巡行名物・折り畳まれる信号。
どこの山鉾も、飾り付けの見物人は、さほど多くありません。
ディープなのがウロウロしてる感じはなく、観光風のちょっと濃いくらいの人が、多い感じ。
町衆の方も、神輿祭のテンパった空気はなく、近所同士で挨拶しながらのんびり準備してます。
山鉾の横を、普通に犬が散歩してる光景も、よく見かけました。


担ぐ練習をしてる、伯牙山


人形が顔を布で隠されてた、芦刈山


舁き手を頼んだグリークラブの学生が合唱してた、太子山


で、8時半、鉾の辻へ向う月鉾


ビルと、階段の見物人と、函谷鉾


素性秘匿の、綾傘鉾の棒振り。


注連縄切りのポイントへ向う途中の、混んでる地下道。


で、9時、長刀鉾の生稚児による注連縄切り。
割り込み&人間の肌や頭髪が密着&警察の怒号が響く中、真横から眺めるの図。
四条通の混雑は平日ゆえマシですが、注連縄切り&くじ改めの前は、当然、身動きとれません。
縄、何回かやっても切れず。中の人が手元へ引き寄せてたりして切り、巡行スタート。


以下は、巡行の順番に関係なく、見かけた山鉾を羅列紹介。
カマキリのアクションが人気の高い、蟷螂山


人間の海に埋もれた、霰天神山


人間の壁の向こうの、郭巨山


で、混雑に疲れ、木屋町方面のエロゾーンへ一時避難。
エロゾーン、通常営業中。客引きも、あり。ツアー客のおばさんと、鋭いギャップを見せます。
四条河原町近辺、日曜開催の前年と比べたら全然マシですが、日陰の混雑はやはり、凄まじい。
人間が密着し、日向より暑いです。体当たりしてくるのは、例によって爺さん婆さんばかり。


追尾を再開し、四条河原町から見た、函谷鉾


巡行が途切れると、警官の誘導で横断できる河原町通を横断し、西側から油天神山


また横断して東側から、暑さでかなりバテてる綾傘鉾&棒振り


YOU CAN DO IT な、占出山


サイゼリアの中からエールを贈られる、月鉾


またまた横断して、西側から孟宗山太子山木賊山


BALを借景にした、木賊山の人形。
四条を離れると、河原町通の混雑は比較的穏やかになります。というか、普通に歩けます。
路上の売店は、かき氷と飲料類がメイン。数は少ないけど。私は、ジュースを10本ほど飲みました。
浴衣娘が曳き手に水を差し出すのを見て、俺にもくれとか思いつつ、記事は灼熱の後編へ。

2012年の祇園祭・山鉾巡行へ行ってきました。もちろん、ひとりで。【後篇】

山鉾を一切見ずに2013年の祇園祭・山鉾巡行を楽しんできました。もちろん、ひとりで。
祇園祭の山鉾巡行へ行ってきました。もちろん、ひとりで。 (2011年)


祇園祭 山鉾巡行
例年 7月17日 開催

市営地下鉄四条駅 or 烏丸御池駅
or 京都市役所前駅 下車
あるいは阪急烏丸駅 or 河原町駅 下車
もしくは京阪祇園四条駅 下車

人間だらけで近づけそうにないところへ、
無理矢理押し込んでいけば、
たぶん何かに辿り着く

祇園祭 – 祇園祭山鉾連合会 公式

山鉾案内図 – 京都新聞